リフォーム不可能！羽毛布団オーダーメイドをご提案した実例！

ダブルサイズなのにペシャンコ、なぜ？

南あわじ市（Ｋ様）は婚礼布団として持参した羽毛布団（ダブルサイズ）をシングルサイズに仕立て直せないかとご来店されました。

理由は、約１３年使用している羽毛布団の保温力がなくなりとても寒いとのこと。もう一度あったかい羽毛布団で寝てみたいということでした。

『保温力がなくなりとても寒い』というワードが少し気になりましたので、いろいろとお話を伺いながらリフォームの進め方を考えてみました。

羽毛布団現状を診断しました

■羽毛布団の品質

ハンガリーグースダウン

品質表示も残っていました

■メーカー：東京西川製
■羽毛品質：ハンガリー産ホワイトグースダウン93％・フェザー7％
■羽毛重量：1.8㎏
■サイズ：190×210㎝
■側生地：綿100％（８０サテンくらいかな？）

■診断した時の感覚

ダブルサイズの羽毛布団でホワイトグース93％なのですが、四つ折りにしたときの厚みが１８㎝～２０㎝くらい。羽毛布団の特徴であるふくらみと弾力が全くありませんでした。

使用状況を伺うと・・・

側生地の感触がお気に入りだったので、カバーをかけずに使用されておられました。それゆえ、毎年ふとんクリーニングをして清潔さを保たれておられました。

どうやら、そのあたりが高品質の羽毛布団の割に劣化している原因と推測いたしました。

高頻度でクリーニングされると羽毛の油分が減少し保温性も下がり羽毛も傷みやすくなるからです。

やはり、毎年クリーニングはおすすめできません。

T様には、使用状況からリフォーム不可能の場合もある旨をお伝させていただきました。一応、お預かりしてリフォーム工場の最終判断が出たらご連絡する旨をお伝えさせていただきました。

結果・・・

羽毛が粉々になっていました

上記写真のように、羽毛の毛先が無くなり小さな断片とファイバーだけが残っていました。
予想した通り、羽毛布団リフォームはできない旨をお伝えさせていただきました。

そして、今お使いの羽毛布団と同ランクの羽毛布団のオーダーメイドをご提案させていただきました。

羽毛布団のオーダーメイドをご提案！

■ご提案内容

■側生地：無地ホワイト綿100％・８０サテン（114ｇ/㎡）
■羽毛品質：ポーランドホワイトコーダグースダウン93％・フェザー7％（ANIMEX社）
■羽毛重量：1.15㎏
■サイズ：150×210㎝
■キルト：立体キルト　５×６×-７

ご検討いただいた結果、側生地は光沢がツルツルとしたサテン地よりも、折り目がしっかりとした『無地ホワイト綿100％・100単平織り（88ｇ/㎡）』をお選びいただきました。

100単平織りを選択いただきました

ヨーロッパではサテン地よりも通気性がよく羽毛に空気を含みやすく暖かい平織りが好まれる傾向にあります。羽毛も品質管理に定評のあるポーランドＡＮＩＭＥＸ社製のコーダグースを使用しますので、相性がとてもよいと思います。品質の良い羽毛なので重量も1.15㎏と軽くすることができました。

■確定した内容

■側生地：無地ホワイト綿100％・100単平織り（88ｇ/㎡）
■羽毛品質：ポーランドホワイトコーダグースダウン93％・フェザー7％（ANIMEX社）
■羽毛重量：1.15㎏
■サイズ：150×210㎝
■キルト：立体キルト　５×６×-７

クオリティーカード付

生地・羽毛の証明書付き

ご注文から、２週間後オーダーメイドの羽毛布団が仕上がってきました。

クオリティーカードも付属していましたので、安心してご購入していただきました。また、ＡＮＩＭＥＸ社のカードには羽毛のトレーサビリティがＱＲコードで確認できるところも喜んでいただけました。

そして、羽毛布団のお手入れ方法として、

毎年クリーニングはさすがに多すぎますので、３～４年に一度にしてくださいとお伝えさせていただきました。

合わせて、綿１００％の布団カバーをご購入いただきご使用していただくことになりました。

これで、以前の羽毛布団よりも良い状態で長くご使用いただけると思います。

（後日談）
リフォームが不可能になった時、同程度の羽毛布団（メーカー品）と悩まれたそうですが、ひと冬ご使用になってオーダーメイドにしてよかったとご連絡を頂きました。特に、既製品では見かけない平織りの生地が気に入っているとのこと。今まで、ご自身が汗かきのため蒸れやすい経験をされたことがあったようですが、この平織り生地は蒸れないので気持ちよく眠れるとのことです。

とても喜んでいただいてよかったです。